バッグを買って最初の一歩を踏み出した話(その2)
自問自答の果てに、相棒バッグを買ったお話の後編です。
前編はこちら↓
ダンナのお母さんの伊勢丹ショッピングにお付き合いしたことで、無意識に抱いていた、ファッションアイテムに対する金額リミットのようなものがぱかーんと外れた私(前編参照のこと)。
それに、これまでハイブランドって敷居が高いと思っていたけど(実際、ハイブランドのバッグなんて手に持ったこともなければ、売り場に足を踏み入れたこともなかった)、伊勢丹のフロアを回ってみて、案外そうでもないんだなと感じました。
何より、これまでパソコンやスマホの画面でしか見たことのなかったバッグが目の前に並んでいるのを見た! という経験はけっこう大きかったです。
これまで雲の上のものだと思っていたものが、自分と同じ世界線に存在するのだとわかった、みたいな。
店員さんに声かけしたり、試着させてもらったりするのも、慣れたら案外平気だったし!
マルジェラ5ACとの出会い
よし、買うかどうかはともかく、とりあえず妄想クローゼットに入れたバッグの試着に行ってみよう。
そう思った矢先、なんとなくバッグのリサーチをしていたら、今まで全く候補に入れていなかったバッグが目に飛び込んできました。
メゾンマルジェラといえば、有名なのは持ち手つきのこちら↓
なのですが、私はバッグを手持ちで使うことがほとんどないので、持ち手のないこのタイプはちょっといいかも、と思ったのです。
黒いバッグはオーソドックスすぎる気がして、これまで候補に入れていなかったけれど、マルジェラのバッグは黒なのに存在感があり、しかもブランドロゴが前面に出ていないのがいい(このあとマルジェラについて調べまくり、匿名性がコンセプトのひとつだということや、5ACというバッグの名前はフランス語で「鞄」を意味するSACに由来することなどを知りました。知れば知るほど、マルジェラが好きになっていく私…これは深みにはまっているのでは??)。
しかし、ブランドサイトで見ても、今ひとつサイズ感がつかめず、またこのタイプを持っている人の口コミや着用写真などもほとんど見かけません。
これは。
店舗に見に行くしかない。
しかし。
もし見に行って、気に入っちゃったらどうするんだ、私?
買っちゃう?
でも、30万近くするんだよ?
だよね…
と、脳内でひとり自問自答する私。
しかし、そこに素晴らしいひらめきが降ってきたのです!
私、次の誕生日(11月です)に50歳になるんじゃない?
50歳の記念に買うなら、ちょっと高いやつでもいいんじゃないの?
よし!
脳内自問自答終了! 買っちゃう! (ただし試着してからね!)
銀座シックス試着の旅
折良く、週末に茅場町に行く用事ができたので、その用事の前に銀座に立ち寄ることにしました。
銀座に路面店のあるブランドもありますが、今回は限られた時間のなかで複数のバッグを試着したかったので、目的地は銀座シックスに。
当日は土曜日。週末なので人が多いかと思ったのですが、朝一番の銀座シックスは思いのほかすいていて、どの店舗も人がまばら。
銀座シックス、伊勢丹とはまた違うラグジュアリー感があって緊張します。
誰もいないお店って入りづらいよね。
メゾンマルジェラ
マルジェラ、先に何人かお客さんがいたこともあり、ほかのお店に比べると入りやすい雰囲気でした。
店員さんがなぜか全員白衣を着てるんですよね。面白いな。
「よかったら手にとってみてください」とお声がけいただいたので、まず持ち手付きの5ACクラシックミニを試着。
これがですね。
めちゃくちゃよかった。
まず、思いのほか軽い。
サイトで見たときは、何となく重そうだと思ってたけど、軽い。
店員さん曰く、選び抜かれた革を使って職人が仕上げているため、軽いのだそう。
デザインも素敵。
内布を出した状態でも、中に入れた状態でも使えるというのが面白いし、どっちで使ってもおしゃれ(2WAYのバッグって、実質1WAYじゃん、と思うこと、ありますよね?)
私が「いらないんじゃない?」と思っていた持ち手も、むしろいいアクセントになってる!
そして、さほど大きくは見えないのに、内布を出した状態だと思った以上に物が入る。
(底マチがかなり広く、かつ内布のファスナーギリギリの高さまで入るので、350mlのウォーターボトルとか、折りたたみ傘とかも入る)
何より、鏡の前で斜めがけにして立ってみたときの、「私、朝からこのバッグで来てます」というしっくり感。
まだ一個目なのに、早くも
このバッグは私のだ!
という気持ちになってしまいました。
しかし即断は禁物。
はやる気持ちをおさえて、ほかのバッグも見せてもらうことに。
・同じ大きさでスムースレザーのもの
→フォーマル感が強いのと、傷をつけたら目立ちそう(最初に見せてもらったグレインレザーのものはシボがあるので傷が目立たないとのこと)
・「ミニ」より小さい「マイクロ」
→小さい。あとショルダーがチェーンなのが好みではない
・最初に目をつけていた持ち手のないボディバッグタイプのもの
→これはメンズのラインとのこと(もちろんユニセックスで使える)。
試着する前に現物を見て、「これは違うな」とわかりました。サイトの写真では分かりにくいですが、使われている革が違う(こちらはディアレザー)ため、やわらかくてふにゃっとしているんですよね。そしていちばん気になったのは、ショルダーが太くて硬いこと。やはりメンズだからなのだろうな。
(結論)やっぱり最初に試着した5ACミニが最高!
とはいえ、まだ一軒目。
ほかのバッグも試着してみなくては何ともいえないので、接客してもらった店員さんの名刺をいただき、「お茶してきて考えます」と告げ、いったん退店。
マルニ
マルジェラを体験した勢いで、そのままマルニへ。
店員さんはとてもフレンドリーでした。
気になっていたのはVenice。ミディアムとスモールがあるが、斜めがけにするならミディアムはちょっと大きすぎるかなと思い、↑を試着。
人気のシリーズだそうで、黒の同サイズは品切れ中でした。
革(グレインレザー)は柔らかく、さわってみた感じはすごく好み。
(フリンジ付きのタイプもありましたが、そちらはスムースレザーでつるっとした触り心地。私の好みからするとちょっと上品すぎる感じでした)
色はスマホで見たときの印象どおり。持ち手が意外と太さがあってがっちりしていました。
この持ち手、横に倒れるのかと思っていたが、角度は動きません。入れ口がそんなに小さくないので、出し入れの邪魔にはならなそう。
ただ、斜めがけにしたときに腰のあたりにこの持ち手(硬い)がくるので、若干気になるな。
どちらかというと、手持ちで使ったほうがいいバッグなのかもしれません。
デザインは素敵。思ったよりシック。店員さんは「似合いますよ」とほめてくれたし、まあ似合うとも思うんだけど、しっくりきすぎて驚きがない。「50歳記念に買う」というアニバーサリー感に欠ける。「今の自分」の延長線上にあるというか、日常にすでにあるというか。
とりあえず、「これを買うなら今じゃないな」と判断がついたので、退店。
ロエベ
ロエベはほかの店舗より広くてラグジュアリー感が強かったため、やや萎縮してしまいました。
気になっていたホーボータイプのパズルバッグは品切れ中らしく、見ることができず。
せっかくなので別のタイプのパズルバッグを持ってみましたが、革が滑らかすぎて「傷が目立ちそう」という印象。どうも私は表面がつるつるピカピカの革が苦手らしい(バッグは普段にガンガン使う派なので、傷が目立たないものが好み)。
あと、アイテムとしてはかっこいいのですが、鮮やかな色が自分とフィットせず、使うイメージがあまりわきませんでした。
これも「今じゃないな」と思えたので、退店。
再びマルジェラ
どこかでお茶をしながらいったん頭を冷やして考えようと思ったのですが、次の予定までの時間を考えると、さほどゆとりがありません。
とりあえず館内のソファで持ってきた水を飲みながら、試着写真を見て検討。
正直、心は決まっていました。
最初に試着した5AC。
買うならそれしかない。5ACを買うか、今日は買わずに帰るか、どっちかだ。
そのあとの予定をこなしてから、もう一度戻ってきて買う、という選択肢もありましたが、「どうせ買うんなら同じじゃん。今買っちゃおう」と内なる私がささやきます。
よし、決めた。買います!!!
ということで、再びマルジェラへ。
先ほど名刺をもらった店員さんは、「お茶します」と言って去っていった私が30分も経たずに戻ってきたため、「え、お茶しなかったんですか?」と驚きつつ(申し訳ない…)、バックヤードから新しいものを持ってきてくれました。
このあと用事があるので、荷物が大きくなったら困るなと思っていたんですが、マルジェラの包装が仰々しくなかったのでとても助かりました。
(付属の布袋に入れたあと、レジ袋みたいな形の白いバッグに入れてくれます。シンプルでかっこいい。最高!)
じゃじゃーん。
見て!
↓
さっそくガンガン使っておりますが、今のところ大満足。
唯一気になるのは、入れ口のファスナーがときどき引っかかってうまく閉じないこと。滑りをよくするスプレーをしてみようかな。