バッグを買って最初の一歩を踏み出した話(その1)
自問自答ファッションでは、まず自分らしい靴とバッグ(とアクセサリー)をそろえるべし、服はその靴とバッグに合わせて買う、というのがセオリー。
自問自答ファッションとあきやあさみさんについてはこちら↓
ですが、私は自問自答ファッションに出会ってから一年ほど、その課題を放置していました。
というのも、もともと靴とバッグにはそこそここだわりがあり、手持ちの靴とバッグを愛せているという実感もあったため、「靴とバッグはもう持ってるもんね〜」と余裕の心持ちでいたのでした。
ちなみに、去年購入した仕事用のバッグはこれ↓
こちらのグレー。
(売り切れちゃってますが、ブランドの公式サイトは工事中らしくてリンクが貼れないので、私が購入した楽天ショップのリンクを貼っておきます)
革なのに軽く、しかもウォッシャブルレザーなので雨に強い、A4ファイル収納可能、内ポケット付き、くたっとしているわりには置いたときに一応自立するという、かなり使い勝手のよいバッグです。
仕事用は、これとエーグルの黒いリュック(本格的に雨が降っている日や、ロケなど汚れることが予想される日、動きやすさを優先したい日に使う)の二本立てで、この一年非常にうまくいっていました。
でも。
ふっと気づいたんです。
私、仕事用以外のバッグは、「これ」っていうのを持ってないな、と。
仕事用のバッグは、いわば衣装。
それはそれで大事だけど、自分らしさという点では、普段使いのバッグのほうが大事なんじゃないの?
だよね!
という自問自答の末、仕事ではない場に出かけるとき(ランチとか飲み会とかお買い物とかね)のバッグを探そう、と決めたのでした。
手持ちのバッグを見直す
その時点で手持ちの普段使いバッグは5個ありましたが、そのなかで使用頻度が低く、今後もあまり使わないだろうと思われたものは、古着屋さんの買い取りに出したので、残ったバッグは3個。
大きさは全部同じくらいで、スマホと財布、パスケース、カギ、ハンカチが収まるサイズ。1と2にはコンパクトな折りたたみ傘も入ります。
1はカチッとした雰囲気にしたいとき、2はダークな色のアウターに合わせるときか、夏の暑い時期に、3は雨の日やカジュアルダウンしたいとき、というように、いい感じで役割分担できており、どれも同じくらいよく使っています。
なので、これらのどれかを買い替えるというより、もう1ランク上の、「私といえばこのバッグだよね」みたいなバッグを買いたいな、と思いました。
バッグ探しの旅(オンライン)
しかし、「私といえばこのバッグだよね」と言えるバッグって、どんなバッグなんだろうか。
今ひとつ「目指すバッグ」が見えないまま、とりあえずネットでリサーチ。うーん、何だかピンときません。
ちょっと前までは、クラフト系のレザーバッグ(土屋鞄とか)が好きだったのですが、そういうバッグはもういいや、という感じ。
革は好きなんだけど、「リンネル」のような雰囲気は、私の目指したい方向ではないのです。
参考にしようと、自問自答ガールズの皆さんのバッグ購入記も熟読(もともと、ほかの人のお買い物日記などを見るのは大好きです)。
それまでは「ブランドバッグなんて高いだけじゃん」と思っていましたが、確かに高いけどそれだけの価値はあるのかも…と思い直し、ハイブランドのバッグも見てみることにしました。
そうしたら、けっこう「これいいかも」というバッグが現れたのです。
これとか。
これとか。
しかし。
マルニはともかく、ロエベはちょっと手が出ません。
ていうか、マルニのVeniceだって、ハイブランドのレザーバッグのなかではお手頃な感じだから感覚バグってるけど、手持ちのバッグよりケタがひとつ多いよ。
無理無理無理。
とりあえず、妄想クローゼットに入れておいて、お金ためてから買おう。5年後くらいには買えるよ。うん。
そう思ってたんですよ、この時点では。
3万円のニットに背中を押される
10月某日、ダンナの母に付き添って、新宿伊勢丹に買い物のアテンドに行くことになりました。
新卒で入った編プロが新宿にほど近い場所にあったので、なじみがないわけではありませんが、ここ20年ほど縁のなかった伊勢丹。
新宿伊勢丹といえば、あきやさんのオススメショッピングスポットであり、自問自答ガールズの憧れの場所。多少ファッションに詳しくなった今、ちょっと探索してみたかったんですよね。
当日は、車椅子のダンナ母に付き添って、ファッションのフロアをぐるぐる。2時間ほどあちらこちらのブランドを見て回りました(あきやさんから教わったように、「店員さんにあいさつ」「こちらから声をかけ、ほしいアイテムを出してもらう」を初めて実践しました)が、なかなかダンナ母の好みに合う服は見つからず。
しかしそのとき、一枚のニットが彼女の目に留まりました。
それはパープルにラメ糸を編み込んだふわふわモヘアのセーター。
お値段は30000円。
お高い。
普段だったら、絶対手を出さない価格です。
しかし、それまで2時間近く伊勢丹の各ショップで値札をひっくり返し続けていた私たちは、完全に脳がバグっており(10万の服とか、普通にありますからね、伊勢丹)、「3万か…いいんじゃない?」という気持ちになっていました。
そのセーターは、色白の彼女にとても似合っていましたし、何より、本人がすごくすごくうれしそうだったんです。
ダンナ母は、モノ選びの基準があまり自分にない人で、「どう見られるか」「おかしくないか」ということを気にしてしまう人。
でも、そのセーターだけは、「自分が気に入った」んだな、ということがすぐにわかりました。
30000円は確かに高いけど、でも出せないわけじゃない。
だったら買えばいいじゃん(そもそも、ダンナ母が自分のお金で買うのだから、本人がいいならいいんですよ)ということで、大満足のお買い物となったのです。
そして、この出来事が、私にとってはブレイクスルーポイントでした。
なんか、「セーターに3万円かけるのはおかしいって誰が決めたの?」という気分になったんですよ。
3万円のセーターは確かに高い。
でも、それを払えるだけのお金があって、かつそのセーターになら3万円払ってもいい、と自分で思えるなら、3万円のセーター買ってもいいんだよね。
ということはですよ。
10万とか20万とかするバッグだって、「買える」「買いたい」と思ったら、買ってもいいんじゃないの?
「買えるようになったら」っていつだよ?
10年後?
20年後?
70歳になってから買うより、今買ったほうが、「そのバッグを持ってる人生」を長く楽しめるんじゃないの?
今年、いっぱい仕事したじゃん!
ものすごく裕福になったわけじゃないけど、飲み会にも行ってないし、旅行にも行ってないし、バッグくらい買ってもいいんじゃないの?
…買う!!!
買おう!!!
ということで、背中を押された私でしたが、実はこのあと、全く候補に入っていなかったバッグと出会うことになるのでした。
(長くなったので、続きは次回)